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セタンスクレ49

イサヤ 2012-01-01投稿
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「…っ」


「…佐木?」


握力を無くしたように佐木の手から手紙がこぼれ落ちた



俺はそれを拾い上げ
確認する



「…」

ちらりと写真を確認した。
赤子を抱く綺麗な顔をしたその女性は

佐木によく似ている



「…それ、お前じゃないか?」


分かったんだろう

その写真と
この短い手紙の言葉だけで



本当は今でも


「ずっと、お前が愛しくて

堪らなかったんだな…」



佐木は声を上げて
泣いた。

今なら痛いくらい
こいつの気持ちが分かる


無防備に泣く佐木を俺はただ抱き締めた

俺まで泣きそうになったから


「お前ー、実は泣き虫だろ」



布団に散らばった手紙には


"ごめんなさい

愛してる"

と書かれていた。

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