なんつーか…
僕らが勝手に思い込んでいた「松前」という存在は知れば知るほど違っていた
松前だけじゃないのかもしれない
変に垣根を作っていたのは僕らの方だったんだろうか
風呂場に案内して、一人でフィギアに囲まれながらそんなことを考えていた
「風呂サンキューな」
派手なイラスト入りのTシャツに短パンとゆー姿で松前…李人が帰ってきた
頭にタオルを巻いている
「なんかリラックスしちゃってごめんね、俺図々しいからさww」
「そうだね」
「うわ、ひでーww」
すんなり横に座られると嗅ぎ慣れたシャンプーの香りがした
長くて細い足でアグラをかいて、ニッコリする
「あの…李人って何が趣味なの?」
うわ、お見合いみたいな質問しちゃってるよ
んー、と部屋中にあるフィギアに目を奪われながら李人は頭をかいた
「お前みたいに断言できちゃう趣味ってないのかもしんないなー
カラオケとかゲームとかそこそこやるけど
…スケボーもボードもフットサルも続かなかったしなあ…あ、なんか言ってて虚しくなった」
あわわ、なんか落ち込ませちゃった