やっと午前授業が終わり、昼休みに入った。
学校にいる中で唯一安らげる時。
普段誰も来ない屋上で俺はその時間を独りボーッと過ごす。
…周りに人間が居るのはどうも落ち着かないから…。
俺はいつだって独りが好きなんだ。
そんなこと考えながら階段を上がり、気づけば屋上の扉の前に着いていた。
少し錆び付いたドア。
そのドアのぶに手を掛け、外側に開くと…
ガチャッ
「「!」」
「え…」
人っ子一人いないと思っていた屋上に、
男女が2人、…イチャついていた。
女は見覚えないが、男の方はしっかり脳に名前が浮かんだ。
…須藤…
「お、翡翠じゃ〜ん。こんにちは。ご機嫌いかが?」
「…っ」
い、いかが、って…いうか…
「何してんだ、お前…」
ふざけた質問よりも、目の前の2人の格好に意識が向いた。
なぜなら…
上半身下着一丁の女に、制服のシャツをはだけさせた須藤が覆い被さっていたからだ。
つまり、エッチする寸前。
俺は硬直したまま、何も考えられずにいた。