『時間切れか…』
果歩の顎を持ち上げ唇を奪う。
舌を絡め歯茎や上顎と口内全てに舌が這う。
ふと力強くギュッと抱きしめられ…
『んぁぁぁっ!』
針を引き抜かれた痛みに叫ぶ果歩。
離れた唇からツーッと唾液が糸を引いて滴れる。
『はぁぁ…っ…』
乳首には血玉が浮きあがっている。
消毒用ガーゼでそれを拭き取った直哉は手早く片付けバックを掴んだ。
『服と髪を直してから出てこないと母ちゃんに怪しまれるぞ?』
笑いながら部屋を出て玄関に向かう。
コツ コツ コツ ガチャ
玄関が開きオバサン…と呼ぶには失礼かな?と思うような若々しい果歩の母親と出くわした。
『あら?』
『お留守の時にお邪魔してすみません。果歩さんとお付き合いする事になりました。伊藤直哉です。』
きちんと挨拶をすると母親は明るい笑顔を向けて
『まぁまぁ こちらこそ宜しくお願いします。果歩ちゃん?何してるのぉ?』
『あ…僕は失礼しますから』
『お見送りもしないで!もぉ!果歩ちゃぁ〜ん?』
『…お帰りなさい』
『果歩ちゃんに彼氏ができたなんてママ嬉しいわ。また来て下さいね』
『はい…ぜひ。では失礼します』
その日、果歩は眠れなかった…