ある所に、とても仲の良い姉弟がいた。
珠代(小学五年)、大介(小学三年)。
学校が夏休みに入ってすぐの事だ。
大介は本棚の奥、父のバイク雑誌の後に隠してあるエロ漫画を見つけた。
縛られた女性が穴という穴を犯され凌辱される内容だった。
多少の知識はあったが、これ程ハードなプレイは初めて知った。
ドキドキしながら夢中で読んでいると、不意に背後から声を掛けられる。
「何読んでんの?」
姉の珠代が本を覗き込む。
驚きのあまり、咄嗟に隠す事も誤魔化す事も出来なかった。
「あー!エッチな本読んでる!お母さんに言っちゃおー!」
揶揄っていたのだろうが、大介は本気で焦った。
「止めて!言わないでお姉ちゃん!」
今にも泣き出しそうな顔で珠代に懇願する。
珠代は慌てて大介の頭を撫でて落ち着かせた。
「嘘だよ…誰にも言わないからお姉ちゃんにも見せて?」