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先輩と後輩 4

ミツバチろっく  2006-06-20投稿
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 千歳の手の力がだんだん弱くなってくるのがわかった。
 俺は、ゆっくりと眼鏡を外させ、千歳の耳に唇を持っていき、

「喧嘩もしねぇし、教室にも戻ってやるよ」

と、ぼそり、と告げた。

 千歳の身体が、腕の中で動いた。喜んでいるのだろう。おめでたい。

「ここで、やらせてくれるならな」

そう言って、耳を舐める。
ゆっくりと、湿り気を帯びた舌が耳を這うと、

「やっ…んっ」

千歳がたまらず声を漏らす。
 どこが弱いかなんて、ちゃんと知ってる。

「返事は?」

そう言うために口を離す。
必要ないほど耳の傍で、小さな声で囁く。
 空気が振るえるたびに千歳は肩を震わせた。

「だ…駄目ですよ、こんなところで…ぁんっ」

耳たぶに勢いよく吸いつく。
千歳は身をよじった。甘噛みながら、

「じゃあ、喧嘩する」

そう言うと、

「はぁっ…んっ、何で…ですかぁ…」

困ったような声で、呟く。
 俺の肩口に細く息があたって、こちらも、少し楽しくなってきた。

 千歳を困らせるのは、少し楽しい。
 弱った表情はそそられる。

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