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妹(2)

 2006-07-18投稿
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「明日何時から式だっけ?」「挙式は12時だよ」
見れば、明日ホテルに着ていくワンピースが壁に掛かっている。
「これでよしと…」妹は、結局、俺と写っている写真を全て
破ってゴミ箱へ捨てた。
「卓也のどこが気に入ったんだ?」「お兄ちゃんと真逆のとこ」
「俺のどこが嫌いなんだよ」妹は笑った。
「なに、マジになってんの。冗談に決まってるでしょ」
妹はそういうと、トランクから下着を取り出した。
「お風呂入ってくる…もう遅いし、私寝るよ」
妹が薄いブルーのショーツを丸めて手の中へ収めるのを
俺は気づかれない様に見ていた。
今日、母親は親戚たちの世話で、式場のホテルへ
泊ることになっている(田舎から親族がわらわら来るのだ)
おやじは、昔から単身赴任で、明日、直接ホテルへ行くという。
つまり、今夜は俺と妹は二人だけなのである。

妹は階段をおり、浴室のドアを閉めた。
その音はここ数十年聞き慣れている音だ。

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