お父ちゃんは風呂から上がるとトランクス一枚でウロウロする。
「ちょっとお父ちゃん、パジャマも出してあるでしょ、そのカッコでウロウロしないでよ」
「暑いんだよ、家の中なんだから勘弁してくれよ。…お?花火か?」どう言う耳よ。
「雷よ。」
「そうか、来週だったな花火は…」
そっかあ…来週花火大会だ。ミクとそんな話出なかった。あ、彼氏と行くのかな…いいなぁ…
「うまい…やっぱり母さん譲りだな。」
お父ちゃんはいつもそう言う。褒めてはもらってるんだろうけど、時々張り合いがなくなることがある。
「いつもとちょっと違うんだよ」
「そうか?でもベースは母さんの味だ。うまい」
ちぇっ
「花火は観に行くんだろう?」
「う〜ん」
「行かないのか?」
「一緒に行く人いないから…」
「この間の…ほら、おっぱいの大きな子は?」
やっぱおっぱいかぁ…「ミクは多分彼氏と行くよ」
そうか、と丼を掻き込む。
「マホには彼氏はいないのか?父さん聞いた事ないな」
「今はいないよ」
「彼氏の一人や二人、お前ならいくらでもできるだろう。理想が高過ぎるんじゃないのか?」
「そんなことないよ。できないだけ」