伊咲「ぁっんんっ…」
あたし…お兄ちゃんとキスしてる…?
透の手が、伊咲の胸に触れる。
ムニュッ…
伊咲「ぁっ!」
ピチャ…
二人の離れた唇に、糸が引いている。
伊咲はクラクラしていて、しばらくボゥっとしていた。
透「伊咲…」
ゆっくりと、伊咲を押し倒す透。
伊咲「やぁっ…何でこんな…お兄ちゃんっ」
透「そんなの…伊咲が好きだからに決まってんじゃん。」
透は冷静な顔つきでそう言った。
伊咲「え…」
シュル…パサッ
透が、伊咲の制服のネクタイをほどき、ボタンを一つずつ取り始めた。
このままじゃぁ…あたしお兄ちゃんとヤッちゃう!?
伊咲「嫌ぁ…っ離して!ヤダぁ〜っ!好きとか言われても意味わかんないよぉ!」
透の手がピタッと止まると、悲しそうな顔をしていた。
伊咲「お…お兄…」
透「俺らしくない…いくら伊咲が可愛かったからって…好きだからってずっと我慢してたのに……ゴメン」
恥ずかしそうに手を顔に当てると、伊咲の服を戻し部屋を出て行こうとした。
お兄ちゃんを…
傷つけてしまったんだ…
本当にあたしの事を…?
伊咲「待って」
透「……え……」
伊咲は気付くと、透の手を掴んで引き止めていた。
伊咲「あ…あれ?あ…あたしなんで?違うっ…違うのさっきのはちょっとなんか変で…あっあれ!?」
オロオロと真っ赤な顔で戸惑う伊咲を見て、透はプッと吹き出した。
透「ぷっ…くくっ(笑)本当に伊咲は可愛いなぁ…」
透のそんな優しい笑顔をは初めて見た。
伊咲の胸もドクドク高鳴っている。
伊咲「透お兄ちゃんは…あたしがスキなの?」
透「うん」
伊咲「な…なんで!?」
透「なんでって…ずっと前からずっと近くにいたから。」
伊咲「え…?どういう意味…?」
透「同じもの触って同じもの食べて、一緒に寝て笑いあって…誰よりも一番伊咲がそばにいたから」
そのお兄ちゃんの言葉にドキドキしている自分がいた。
透「それじゃダメ?」
伊咲「あたし…は…よくわかんないけど…なんか今…離れたくなぃ…」