ここだ。
【407 真坂】
ピンポ-ン...
ピンポンピンポンピンポーン...
「…はい。入って」
カメラ付きインターホンから低い声が聞こえてくる。あたしは誰にも見られていないのを確認して,中へ。
ガチャ...
「……広ッ」
一人暮しのくせに2LDK日当たり良好,しかもシステムキッチン?
「荷物それだけか?」
「うん。」
無理矢理荷物を詰めたスポーツバッグとキャリーケースを床に降ろす。6畳の洋間。
「一応この部屋使ってないからどうぞ。ベッドは無いから寝る時は俺の部屋」
楽に8畳は有りそうな真坂の部屋。セミダブルの青いベッドで,今まで何人の女を抱いたんだろう。。
「先生--」
「なに?」
「毎日エッチし放題だね。」
「…ん」
真坂は少し顔を赤くして言う。意外とウブだ。
「ぁ,バイトの時間…」
「働きすぎるなよ?学費だって援助できるし…」
「そこまで助けてもらわなくても平気だよ。」
「…そっか」
真坂は優しい。無口な人だけど,温かい。
「いってきま-す」
「いってらっしゃい。」
ファミレス(時給800円)へ急ぐ。また遅刻しちゃうなあ…
「すいません…遅れました;」
「ぁ,月島さんやっと来た!もう…ほんとに遅刻魔だなぁ」
あたしより1つ下の海斗くん。苗字は相沢だっけ? バイト始めたのが同時期で,結構仲が良い。
「ごめんって;;以後気をつけます。」
「別に良いですけど…なんでそんな遅くなるんですかぁ;」
「ちょっと…彼氏の家行ってて」
海斗くんの表情が変わった。
「彼氏…居たんですか??」
「居たってゆうか出来たってゆうか…」
「ちょっと…こっち来て下さい」
グイと手を引かれ,食品庫に連れていかれる。
「…海斗くん?」
見た事の無いような険しい顔をしてる。怖い。
「ずっと好きだったんです」
え??
「ッん…!」
突然キスされた。口咥内と共に,思考も侵される。
「お願い…僕のものになって…」
「はぁッ…ん…やめ…」
何がなんだかわかんない。
--つづく--