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メル友母子編9

ザクロ  2006-08-08投稿
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裕紀は昼ごろ帰って来るなり、部屋に駆け込んだ。
「どうかした?」
私はわざとしらばっくれた。一瞬、裕紀は探るような怯えた目をした。
「い、いや…何でも…」
「変な子…」
今ごろ、慌てて携帯を確認しているに違いない…
『返事…遅れました…ごめんなさい…』
『いいえ、忙しかった?』
『携帯忘れちゃって…』
『そうだったんだ…ちょっとさびしかったよ(笑)』
『あの…』
『なあに?』
『声…聞いてみたいです。』
何言ってんの、この子は…
『メールじゃ…甘えたくても…』
そんなこと…昨日のでも今は耐えられないのに…
『ダメですか?非通知で構いません…』
ばか…
『今日は息子がいるから…一人だけなら考えてみます…』
…しばらくすると、裕紀が下りて来た。
「ちょっと出て来る」へ?…ホントばかね…相手にしないわよ。
『息子さんとは…最近どうですか?』
『相変わらず…口数が少なくて…』
『さびしい?』
『ええ…とっても』
『息子さん…そんなにつれないですか?』
あはは…
『携帯換えても番号も教えてくれないのよ』どうだ…何て答える?『きっとそのうち教えてくれますよ…』

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