「嫌いじゃないんだったら…付き合って行く内に好きになるんじゃない?」
「………」
『確かにぃ。そういう考えもアリか〜。晴奈どうしちゃぅの?』
なんだか…残念なような落ち着かない気持ちは…なんだろう。
「……じゃ…付き合ってみようかな」
『おお☆ラブ?になったら紹介してねッ♪』
「ん………祐也ゴメン。なんか変な相談しちゃって」
「いーよ。別に。新しい彼氏と仲良くなぁ」
トコトコと祐也は、晴奈達から去っていった。
竹村君にいつ返事返そうか…なんて考えてる時、
『キャーッ!』
「……あっ」
祐也が、半分以上床にこぼれたコーラを片手に立ち尽くしていた。
『た…かの君っ!?コーラなんで振ってんの?ダメぢゃん!』
近くにいた女子が、怒声をあげた。
「…ああ…ジュースは全部振るもんかと…」
『もぉッ…バカっ』
女子は笑いながら、祐也にべたべたとまとわりついた。
祐也は、顔も美形で優しく、裏表がないのでかなりモテる。
「…触りすぎでしょ」
『ええ?何がぁ?』
今日は何故か、祐也を見ると胸が焼けるように痛んだ。
「いーよ。付き合っても」
海斗は嬉しそうに笑った。
『本当にっ!!ありがとう!…晴奈…』
ぞくっ!
「あ…ああうん…」
ドラマみたいに照れながら晴奈と呼ぶ海斗を見ていると、なんか寒い…(失礼だけど)
やっぱ、私にはああいうのは無理かも…。
『じゃ、これメルアド。登録して』
「…わかった。」
メルアドが書かれたメモを、晴奈は受け取った。
『ここ見て』
海斗は、そのメモを指差してちらちら晴奈を覗き込んだ。
「なに?」
『ほらこれ……』
「…え…!……っ…」
唇が、塞がれた。
柔らかくて、暖かい。海斗は優しく唇を動かした。
「ん゛っ……ぅ゛」
思わず濁った声が出てしまった。