「お前…スゴ…」
「は…っ、ぁ…智…」
智則の鼓動が解る。
熱く穿たれた楔に躰の奥が溶かされそうだ。
僅かな痛みを伴ったが、それ以上に快感が勝っていた。
「熱…い…」
「お前の中も、熱いよ…っ」
「ぁんっ、あっ…智…っ」
腰をぐいと突き上げられて待ち焦がれていた刺激に、内部が喜んで喰らい付く。
智則のカタチが判りそうな程に。
鏡に写った智則は眉根を寄せて、少し苦しそうな表情をしていた。
僅かに上気した頬と情欲に濡れた瞳が、それが苦痛を表しているわけではないと教えてくれる。
何よりも自分の中の存在がそれを物語っていた。
自分に対してこんなに欲情している、自分に感じてくれている。それが嬉しかった。
「あっ、んぁっ…あぁっ、あ…っ」
ガクガクと揺さぶられる度に、既に抑えようともしてない高い声が漏れる。
先程達したばかりの躰は容易く熱を引き戻されて、欲望が頭を擡げた。
「貴志…」
「と…智…、んっ…ふぁ…んん…は…」
後ろを振り返ろうとしたら唇を塞がれたのだが、無理な体勢に長くは続かない。
動かされる度に離れてはまた口付けられて、啄むようなキスが繰り返された。
そんな中、一際強く突き上げられて奥を抉られる。
「あぁっ…智…っ」
「っ…貴志」
「俺…も…メチャクチャに…」
「…してやるよ」
メチャクチャになりそうだ、と言おうとした言葉を遮って智則が放った言葉。
熱に浮かされ、掠れた声音に全身で震えた。恐怖ではなく、歓喜に。
「んっ…あっ、あぁ…智っ…智…っ」
壊れたように智則の名を呼んで求めた。
智則の香りに包まれ、耳元には智則の熱い吐息、唇で智則を感じ、
目を開けば鏡に写った自分達の姿、全身に触れる智則の熱。
躰が五感総てを使って智則を感じる。
感じすぎてもう飽和状態だった。
「智…、あっ…俺…もう…っ」
「…イク?」
「ん…っは…、イキそ…」
告げた瞬間、今までよりも更に強く揺さぶられた。
恐らく智則も限界が近いのだろう。
「あぁっ!あっ、んっ…イ…イイッ…、イク…っ」
「イけよ…っ」
腰を抱えられ、ギリギリまで引き抜かれて落とされる。
結合が深くなった瞬間、快感に全身を震わせて俺は欲望を放った。
「ああぁ―――…ッ!!」
目を閉じる直前、鏡に写った自分を直視してしまった。
熱を迸らせる瞬間を。
同時に迎えた智則の絶頂の瞬間も。