どうして涙がでるのかわからなかった。
ただ、レイさまに触られると
そこからどんどん快感が広がっていくのだけがわかった。
「…ルトっほんとに敏感。ほら、もうこんなに紅くて…」
ぼくの躰をひとしきり眺めて、レイさまがつぶやく。
「…んッ…やぁ…だ、だって…レイが…」
ぼくが自分から紅くなってるんじゃない。
レイさまがさっきからたくさんたくさん感じさせてくるから
こうなってるんじゃないか。
「僕が何?」
「んぁっ」
言いながら舐められる。
言葉のかたちに舌が動いて、それにすら感じてしまって、
本来言いたかったはずの言葉がとぶ。
「は…あ、あぁ…」
レイさまは、ぼくがつかえるべき主君だった。
ぼくが3ヶ月ばかし年上なので、一応兄的な存在だった。
けどぼくは生粋の庶民。
年が近いから。
親同士が知り合いだから。
ただそれだけで。
本来目をあわすことも許されない立場。
…の、はずだった。
「んっ」
いきなりのキス。
深くて濃厚なそれに、思わずのけぞる。
レイさまは口をあわせつつ、空いた手でぼくの中心をいじる。
先端の孔をくすぐられると、声が止まらなくなりそうになるけど、キスに吸いとられて。