翌朝、秀太郎が帰って来た。私は秀太郎の目を見ることができなかった。
昨晩の自分の行為。いやらしく、汚い母を思い出し、気分が悪くなった。
「どうした?具合悪い?」
秀太郎は心配そうに私の顔を覗いた。
「何でもない…。」
「顔赤くないか?」
「大丈夫!」
私は秀太郎を振りきり、学校へ行った。
授業中、ずっと秀太郎の事を考えていた。
バイト中も気がつけば秀太郎を目で追う私がいた。
翌日、秀太郎はバイトを休んでどこかへ出かけた。
私は眠れず、ベランダに出て星を眺めていた。
この優雅な時間。もし、秀太郎と出会わなければきっと得られなかった。
午前2時。秀太郎が帰ってきた。
「季吹?起きてたの?」
「うん。何か星が見たくて。」
秀太郎は荷物を置くと、ベランダに出てきた。
「けっこう見えるんだな。」
私は秀太郎の横顔を見ていた。整っていて、男らしい横顔。
ふと、疑問に思っていたことを口に出した。