制服に着替えた二人はとりあえず体育を休んだ言い訳を考えた。
「じゃあ私が具合悪くなったのをたまたま桐也・・・ぁ、梶乃くんが、見つけたってことで」
「うん、伊那谷さんを保健室に連れて行ったってことで」
教室でふたりきりでいると先ほどの行為は夢だったように思えた。
「桐也って・・・」
「え?」
「何人の人と・・・そういうことしたの?」
「二桁はいってないから大丈夫」
呆れて理子は校庭を見た。
なんの変わりもなく空が青かった。
「桐也、私・・・」
「お!桐也!お前何やってたんだよ!」
クラスの男子が帰ってきた。
「あ、理・・・伊那谷さんを保健室に」
「委員長が?大丈夫?」
理子はほぼ男子全員に委員長と言われ親しまれていた。
「うん、もうだいぶ楽になったんだけど、梶乃くんが付いててくれるって」
「おいおい、委員長はみんなの委員長だぜ〜なぁ?」
続々と男子が帰ってきた。
女子はまだ帰ってこない。