もうそろそろ作業が終わるってときに、俺は勇気を振り絞って日野の名前を聞くことにした。
「…ひ、日野。お前…名前なんていうの?」
「名前?皐(さつき)。」
「さつき…。(……可愛い)なんか女の人の名前みたいだな。」
「よく言われるよ。松沢は?」
「俺は、暁(あかつき)って書いて、暁(あきら)。」
「…いいなぁ。かっこいい」
「そ、そうかな……あれだよ!さつきも日野にあってて……良いよ!」
「?…ありがとう。」
そう言って日野は笑った。
夕日が図書室に差し込んで日野を照らしてた。
すごく綺麗に見えた。
「(……ぁぁ。俺、日野のことが好きだ。さっき会ったばっかなのに…。なんでこんなに好きになったんだろ)」
「松沢??どうかしたのか…?」
「いや…、何でもない。それより終わったし帰ろっか!」
「うん、そうだな。」
―これが俺と皐の出会い。