夜中、12時の鐘が鳴る頃、虎太郎が上機嫌で帰って来た。
どうやら、勝ったみたいだ。
俺は、リビングのソファに座って、テレビに向けていた視線を、虎太郎に向けた。
「おかえり」
「ただいま???今日の試合はどうだった?」
虎太郎が、俺に抱きついて来る。
「今日も、良かったよ。すげぇ、早い球投げて。やっぱり勝つと、思ってた」
「彗?今日は、俺の試合見てなかっただろう?」
虎太郎は、俺の手を掴むと、俺自身に導いた。
「今日は、俺負けたんだよ…おしおきだ…」
えっ?そんなの、あり? ご機嫌で帰るときは、基本勝ってるじゃん!!
「ほら、握って…扱いて」 いつの間にか、下半身をひん剥かれている…。
「嫌だ…俺は、今日はしないぞ…」
俺は、虎太郎を突き飛ばした。
「好きな人が出来た。だから、もうこんなことしない…」
ドン!!
尻餅をついた虎太郎の、顔色が変わった。
空気が、張りつめる。
やばい。怒らせた。
逃げようとしたが、虎太郎の行動の方が早かった。 虎太郎に、腕を掴まれると、そのまま床へと押し倒された。