少し遠慮して、10センチだけ空けた。
兄妹ならこの距離が普通だろうな…
「どうした?一段とおとなしいじゃん」
ほっぺをチョンとつつかれた。
「嫌われないようにしてる。」
神妙に答えた。
お兄ちゃんは吹き出した。
「妹を嫌う兄貴なんていないよ」
そうかなあ…
「兄貴にとっては、妹は微妙な存在…」
私はその話に引き込まれた。
「たとえば、仮にお前がすごい不細工で性格が悪い妹だったとしても、お兄ちゃんは嫌いにならないと思うよ」
「微妙な存在って…?」
お兄ちゃんは少し言葉を探していた…
「う〜ん…永遠の恋人…かな」
私はうつむいてしまった…
「口には出せないけどね…」
いつの間にか私は指をいじいじしてる。
「私…も?」
お兄ちゃんは咳払いをした。
「…そうだよ…ナナは特別可愛いから、まさに…そうだな」
「ホントにそう思ってる?」
お兄ちゃんは赤くなって、小さくうなづいた…
「よく友達に、紹介してくれって、うるさく言われるんだぜ」
そんな話もあったな…「確かに…ナナは可愛い…ヤツらが夢中になるのも、わかるよ」