言い出すこともできず、口ごもるオレ…
「なに?どっちにしても電話しなきゃなんないの」
と構わず通話を始めた…
「アヤノです。今入りました。えっと…チェンジ…」
オレの回答を目で催促する…
「え?…」
もう片方に指で耳栓して電話に集中し始めた…ヤバイ…
「え…あ…ハイ」
表情が変わった…
「イヤ…あの、実は…」姉ちゃんは困ったような表情でオレを見ながら話をしていた…
「ああ…ハイ」
声のトーンが下がってる…
電話を押えて…
「時間は?」
「へ?」
「時間だよ!30分でいいの?」
「いや…」
「何よ…1時間?」
「150分…」
姉ちゃんは落胆するような顔をした…バカだコイツ…と言いたげな顔。
「150分です…ハイ…あ…万…千円ですね…ハイ…お疲れ様です…」
電話を切った姉ちゃんはため息をついた。
「…」
「知ってて指名したの?」
「…」
「何なのよ…説教でもするつもり?アタシ、まだやめないからね!」
「…違うよ…」
「じゃ何よ、どうせ説得しに来たんだろ!」
「…いや…全然違う…」
「はあ?」
訳がわからずイラつく姉ちゃん。