トニは、力強く腰を動かし、私を狂わせる。
「あっ・・・あんっ・・・トニ、いいっ・・・熱いわ・・・はぁ、んっ・・・」
「はぁ・・・うぅ・・・リノ、最高だよ・・・・・・もっと・・・深く、挿れたい・・・」
互いの口からは、もうあえぎ声しか聞こえない。
ただただ、絶頂までの快楽を貪るだけだった。
「トニ・・・はぁ・・・私の、顔に・・・いっぱい出してぇっ・・・」
「リノ・・・大好き、だよっ・・・っあぁっ!」
生ぬるい汁で、自分の顔が白く染まっていくのを感じた。
そして、トニの膝元には、私の潮で、大きなシミができていた。
「はぁ・・・く、ふ・・・あっはっはっは!」
急におかしくなって、二人で笑い出してしまった。
「・・・何かしらねぇ、終わったら終わったで・・・いきなり、もとの気分に戻ってるんだもの」
「そういうのも、いいだろうと思うよ。ずっと残ってたら、余計ウズウズするだけだろうしさ」
私は、バスローブの袖で、顔を拭った。
「トニ、ごめんなさいね。お風呂まで借りて・・・」
「ううん、いいよ。それに、昔もそうだったじゃないか。お互いの家に来ても、何か、自分の家みたいに・・・って」
こうして、笑い混じりに、たわいもない会話をするのも、何年振りだろうか。
私は、新聞・雑誌のコラムニストとして、全国を回ってネタ探しをしている。
正直、目が回るほど忙しいことは、認めざるを得ない。
ただ、トニに言わせれば、私の仕事など軽いほうだろう。
トニは今や、探偵として全世界をとび回っている。
目が回るほど忙しいのは、トニのほうだろう。
私達二人が、あの通りで再会したのも、偶然に違いない。