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それでも愛したい 17

 2008-02-21投稿
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「今日からお前は私のおもちゃだ。あいつに幾ら愛を注がれても、その内、お前は私でしか満足しなくなる」


薄れゆく意識………。

これが夢ならどんなに良いだろう。

涼になんか話したらどうなるか…………。


「……!スズ…!……スズ!」

涼の声。

不意に目を開けると涼が視界に入った。

「何もう寝てんだ?友だちん家がダメになったから帰って来たんだ。制服のまま寝たのか」

「……涼!」

思わず泣いて抱きついてしまった。

「どうした…………何かあった?」

優しく涼香の頭を撫でながら涼は不思議そうに聞いた。

「………んーん。なんでもないの……ちょっと…怖い夢を見ただけ」

「そっか」

涼香は自分が心底震えているのが分かりながら、どうすることも出来なかった。


その日は涼のそばから絶対に離れたくなかった。
抱きついたまま眠った。

涼の心臓の音が聴こえる。

「スズ、俺さ…いつかちゃんとした社会人になれたら、離縁しようと思う」

「離縁……」

「そんで、この家の涼香って名前の女の子に、嫁さんになってくれって、伝えに来る」

「涼、ありがとう!嬉しい」

「絶対、結婚しような」

二人は笑い合って、おやすみとキスをして眠りについた。

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