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月の吐息 七章

るい  2008-05-06投稿
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あ〜自己嫌悪…。

授業中だというのにまったく身に入らず(まあ入ったことはないが)頭はさっきの事でいっぱいだった。
あの冷たい手が自分の頬に触れた瞬間、何かが自分の中で弾けて飛んだのだ…まさにショート。

初恋は、香奈ちゃん…小学生んときだろ?
で、去年は勇人の姉ちゃんに失恋して…。結婚しちゃったから仕方ねぇし…てか、なんで男?
男子高で「そういう事」だけはなりたくないと思っていたのに…。

付属の高校の先輩に、変な絡まれ方をされた時もあれば、後輩に告られたこともある。

その時、感じたのは嫌悪感しかなく…男同士という関係は有り得ない…はずだった。


なのに。


月城 零。

まさにあいつに相応しい冷たい名前。
氷の笑顔。
凛とした声。

すべてが、すべてに、

心ひかれている。

性的に惹かれている…?確かに触れられた時、今までの恋にはなかった衝動が、突き抜けた。

抱きしめられたい

キスされたい

…とか。



うわっ!!

俺、変態?

「ちょっと」

へこむ寸前、声をかけられた。

気がつくと授業は終わっていた。
目の前にいるのは…
高橋 涼だ。
委員長がなんだろ?

「話、あるんだ」

勇人がチラッと窺い、日向は大丈夫、というように頷いた。

「なんだよ」

「…あのさ…僕、屋上で見ちゃったんだけど」

!!!
まじかよ!!

「あれって…そーゆー関係って事?」

「ばっ…馬鹿、違う!ただ俺が熱っぽ」「なんだ…違うの?良かった♪」
え?
なんで?

涼はカワイイ顔で(子犬みたいだ、と日向は思う…)ニコッとした。

「そうだよね、日向君ってそういうタイプじゃないもん。良かった…僕、月城先生…オトしたいんだ」

オト…おとしたい、だとお?

「僕、ああいうタイプ、弱いんだ。なんかもうどうにでもしてほしくなるってゆうか…」

うっとりと語る涼を呆然と見つめた。


やばい。
こいつとライバルになるっつーのか?

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