「さぁ、じゃああれを右に進もう」
大きな川沿いの広い道路だった。
「少し車が少ない道路でゆっくり走ろう。街中…疲れたろう?」
少しホッとした…
道路は川の上流に向かって伸びている…
しばらくすると、視界には沢山の緑…
民家はまばらになって、典型的なドライブコースになってきた。
おじさんは景色を堪能してる…
「少しは緊張がほぐれたか?」
「ええ…まあ」
「ちょっと喉乾いたな。あ…そこで停まろうよ」
おじさんはジュースを買って、私に一本くれた。
私は車から降りて、深呼吸。
静かだ…
鳥の声や水の音が遠くに聞こえるだけ。時々車が通り過ぎるけど、いい所…
それはいいけど、私はトイレに行きたくなった…
「どうした?」
「いえ…何でも…」
トイレなんか見当たらない…なんか…言い出せなかった。
「大か?小か?」
まったく…
「小ですっ!」
「アハハ…困ったなあ、こんな所で言うなよ」
おじさんも探してくれたけど、トイレはなさそうだった。
「いいです。もうちょっと先にあるかも」