『第29回ミス?コンテスト、優勝者はー!?
エントリーNo.11番!蒼葉 奏くん!』
よりによって僕?
まぁ顔がいいのは認めるけどさ。
『優勝者より一言お願いします!』
は?気持ち悪いとしか言いようがないんだけど…。
『皆さんが大変気持ち…を込めた声援をくれたので頑張れました。』
あぁ、嫌だ嫌だ。こんな心にもないこと言いたくなかった。しかも笑顔で。
スマイル0円なんてくそくらえ。
『それでは、優勝者にトロフィーと食券半年分と…』
食券…しかも半年!これは出たかいがあったね。
ん?食券半年分と…?なんだ?
『わが校一番人気!科学専科の藤童先生による祝福のキスです!!』
とたんに割れんばかりの歓声。
ちょっと待て…、キス?
藤童って確か…男。
ハッと気づいたときには顔が目の前にあって…
『ちょっ、まっ…んっ。』
ショックで目の前が真っ白になった。
最後に唇にある感触を思いながら僕は、気を失った。