「ああ、これ?」
「そうよ。カッコわるい」
襟が中に入り込んでたらしい。
真弓がまるで女房のように整えてくれた。
淡いシャンプーの香りが孝行の鼻をくすぐった。
「お前、お兄ちゃんと違ってきれいにしてるな。やっぱり女の子だ。」
ベッドに座って部屋を見回す。
「当然でしょ?」
と振り向いた途端に整理ダンスのものが床に落ちた。
カシャーン
「ヤダ、あ〜ん」
えらく小さなものが散らばった。
「なんだよそれ」
女子高生らしいカラフルなプラスチックの飾りかなんかだが、孝行には何かサッパリ分からなかった。
「何ってことはないけど、可愛いでしょ?」
落ちたひとつを取ってかざして見せた。まるでビー玉の美しさに魅了された子供みたいな目…
澄んでキラキラしていた…
仕方なく、孝行もしゃがんでいくつか拾うのを手伝う。
一心に拾う真弓…
クッキリと…胸の谷間が…
無防備な子だ…
目をそらそうとするのに…孝行はその美しさについ目を奪われて、とうとう見とれてしまう…
「これで全部かなぁ…」