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家族愛 30

ザクロ  2008-12-28投稿
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裕之は不自然なほどジッと自分を見ている…

首筋や胸元に…視線が突き刺さる…

彼は…両手をコタツに入れたままだった。

口惜しいのか、下唇をほんの少し噛んでいる…
些細な表情の変化だが…涼子には何となくわかった…

微妙に…腕が動いている…

深く潤んでくる息子の瞳…

変だ…
まさか…本当に…コタツの中で?
確かに裕之なら…
だけど…
そんなこと…恥ずかし過ぎる…

涼子は動悸が激しくなった…

思い過ごしかも知れないのに、涼子はうろたえた…

なんとかしなければ…

しかしここから離れる気にはならない自分がいる…

(どうしたのよ…そんなに…見ないでちょうだい…)

精一杯の言葉がそれだった。
(見るだけなら…いいでしょ?)

その言葉には、自分への思いを禁じられて悶える、やるせない気持ちが込められていた。

部屋は静かだ…
今は雨の音しか聞こえない…
(…きれいだね…母さんは…)
涼子は何も喉から発することができない…

裕之の視線には…はっきりと自分に対する欲情が見て取れた。

ギラギラした目…




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