まだ若い男の子…
彼の初々しい表情の変化は涼子の興味を刺激した。
何かの拍子に体勢が変わると、視線を機敏に反応させる息子…
涼子は胸の中に罪深い黒い塊が増殖し始めるのを不安に思った…
彼女の胸騒ぎはまさにそれだった。
膝を…ほんの少しだけ離した…
食い付いて来る息子の視線…
何食わぬ顔の二人…
もうたたむものが少なくなった…
涼子はわざとゆっくりと作業した…
膝をもう数センチ開く…
手元と息子を交互に見ながら…涼子は胸が苦しいほどときめいている…
裕之の視線が…スカートの奥深くを狙っている…
この悪しき視線に晒される事が、こんなにも刺激的だと言う事を…涼子はこれまで知らなかった。
とうとう…たたむものがなくなった…
一心に覗いている裕之は、作業が終わってもそれに気付くのが遅れた。
ハッとして母親を見上げると、涼子の方はそんな自分にとうに気付いていたようだった…
(…いつまで見てるの…)
なじるようでもあり、あきらめたようでもあり、哀れんでくれたようでもあった…
そのひとことに、羞恥と自己嫌悪の息子の表情…