バスルームの扉を少し開いた。
「終わったか?」
父はベッドに仰向けに寝て天井を見つめていた。
自分は裸。
無防備な状態…
お父さんが風呂に入った時に服に着替えよう。取りあえず今は肌を早く隠したい。
真弓は渡されたバスローブを身にまとった。
バスローブは膝丈で、心もとない小さな布切れ。はだけそうな前襟を止めるのは一本の腰ヒモだけだ。
真弓は恥ずかしくて、内股にしてモジモジしていた。
(上がったよ…お父さんも入るんでしょ?)
「やっぱりお父さんはやめとくよ」
(え?)
「石鹸の匂い…母さんに説明できないだろ?」
そうだ!確かに…
じゃあ、服に着替えればよかった…
なんだか急に恥ずかしくてたまらなくなって来た…
「どうした?…せっかくだから社会見学しておけよ。…初めてだろ?こう言う所は…」
真弓はできるだけ動かないようにした。ちょっとかがむとパンツが見えてしまう…
それに…胸だって…
結局ベッドに座ってしまった。
ソワソワする娘。
父親としては、ここは帰るのが筋だろう…