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家族愛73

ザクロ  2009-01-23投稿
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翌日…
ひと晩でも時間がたてば昨日よりマシだったが、三人が会話を弾ませる事など無理だった。
しかし、朝食の時には、少ないながらもいくつかの言葉を交わした。

九時

真弓が帰って来た。

「朝帰りか、不良娘め」

冗談に元気がない、と真弓は思った。

「何かあった?」

敏感な子だ。
「何って?何もないよ」
しらばっくれる孝行は一方で娘とのことを考えている。

同罪だ。涼子と同じことをしてるのに、自分は彼女に辛くあたった。
後悔と自己嫌悪。

孝行は娘の部屋をたずねた。
「ちょっといいか?」

改まった口調に真弓は招入れる。

真面目な表情の父をほころばせようとした。
「変なことしちゃダメだよ」
孝行は苦笑した。

「実は…」


静かだった…

裕之は寝室のベッドで天井を見つめていた。

涼子は洗濯機の渦をもう何分も見つめている…

真弓はただボンヤリとベッドの縁を眺めていた。

孝行はそんな娘を見つめている…


「信じられない…」

それしか口から出て来なかった。

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