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家族愛77

ザクロ  2009-01-23投稿
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ベランダの洗濯物を見に来た涼子…

部屋から見ている裕之…

涼子は何度か視線を合わせたが力なく微笑むだけ。


裕之はため息をついた。

「どうしたの?」

部屋に彼の洗濯物を取り込み、座った。

今は裕之といた方が気持ちが軽い。

「やめなきゃ…ダメ?」

涼子も答えられなかった。

「ボク、母さんとのこと…忘れられないよ。無理だよ…」

涼子は洗濯物をたたみながら、困った顔をしている。

「母さんが父さんを愛してるなんて、当たり前だ。ボクは夫婦の邪魔なんかするつもりはないんだよ」

ドアの外では通り掛かった孝行が聞き耳を立てていた。

「ただ…母さんが…欲しいだけなんだ…」

裕之は座った母親の後ろから腕を回した。

(やめなさい…あんな話があったばかりなのに)

(イヤだ…母さん)

裕之の手のひらは母の胸を包んだ。

(ああ…柔らかい…母さん)

(ダメ…)

真弓がリビングから上がって来た。孝行の様子を見て近寄る。

孝行はシーッと指を口に持って来た。

あ…あ…裕之…ちょっとダメ…あん…だめだったらぁ



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