中学一年生のとき、ママが死んだ。
駅のホームから線路に転落して、通過電車に跳ねられたのだ。
ママは、もともと、貧血気味だった。
家でも、立ち眩みがすると言って、台所でうずくまることが多かった。
パパは、警察でそう話した。
ホームで現場を見ていた人は、電車に吸い込まれて行くように転落して、助けようがなかったと証言した。
警察は、
多分意識が朦朧として、足を滑らせたのだろう、
と結論付けた。
まあ、警察にしてみれば、事件性さえ無ければ、どちらでも大差はない。
あたしのショックを、少しでも和らげようと
配慮したのかも知れない。
でも、あたしは知ってる。
ママが自殺だったってこと。
それは、パパにもわかってるはずだ。
ママは、あたしたちの関係を知って、絶望したんだ…。
あたし、気付いてた。
パパとあたしが愛し合ってる所を、ママに見られてたこと。
でもママは、何も言えなかったんだ。
そして、全てを自分で抱え込んで、死んでいった。
あたしが、
パパに抱かれるママに嫉妬していたのと同じ気持ちで…。
パパと関係ができたのは、小学校五年生のとき。
あたしはパパが大好きだった。
一緒にお風呂に入るのが、楽しみだった。
パパはあたしの、微かに膨らみかけた胸を触るのが好きだった。
「千絵、ちょっとおっぱいに触れてもいいか」
「いいよ、ちょっとじゃなくても、パパの好きなだけ触って…」
パパは湯舟の中で、後ろからあたしをハグして、まだおっぱいとも呼べない小さな膨らみを撫でた。
ごわごわした掌が乳首に触れると、あたしの身体の芯は、熱くなった。
あたしは、ホントに幸せだった。
四年生の夏、初潮が訪れた。
生理がはじまったとたん、ママはパパとの入浴を禁止した。
あたしは、パパの代わりに、自分で乳首に触れるようになった。
目を閉じて、パパの顔を思い浮かべると、股間の筋肉がきゅっとなる。
割れ目の間の小さな突起に指で触れると、背筋に電気が流れる。
「あんっ!」
あたしは小さな声をあげた。
パパの指で触れてほしい…。
あたしは頭に情景を思い浮かべながら、硬くなった突起を愛撫し続けていた…。