「あ〜あ、可愛い女子でも引っ掛けようかな」
ふざけたようにリョウが笑って、それからふと…真顔になる。
静かに抱き締められた。
リョウの心臓の音が聞こえる…回された手が震えてる。
「友達、だよな俺ら」
俺は頷いた。
「うん、当たり前だろ」
リョウはいつもの無邪気な顔で笑って、じゃあなとだけ言った。
消えていく後ろ姿を見ながら、俺はごめん、と頭を下げていた。
もう季節は夏で、あと少しで夏休みだ。
空は青いし、雲は眩しいくらい白い。
放課後、俺は学校から少し行った場所にある河原に寝そべっていた。
横には、真面目な顔して読書しているリイチ。
「なに読んでんの」
「ドラゴンボール」
…今更なうえに、何故。
つうかブックカバーして読むなよ(笑)
リイチは漫画を脇に置いて、俺を見つめた。
見つめられただけで、俺は切なくなる。
「好き、桜」
小さく呟くリイチ。
「…う、うん、あ、ありがと」
真っ赤になって礼を言うとリイチの唇がそっと触れて、離れた。
「好きでいるから、好きでいて」
子供みたいなことを言うリイチ。
可愛い。
「俺も同じこと思ってるから。リイチ、大好きだよ」
リイチはニコッと笑って言った。
「同じこと思ってんなら…今日、もっと激しくしようか…ね、桜」
…あ〜。
いま、思った。
俺、一生こいつに振り回されそう…(>_<)
まあ、でも。
いっか!!!
…俺達の夏は始まったばかりだ…。
end
長い話にお付き合い下さり有り難うございました
〜ねこ〜