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鬼畜なアイツ 25

ねこ  2009-07-22投稿
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「あ〜あ、可愛い女子でも引っ掛けようかな」

ふざけたようにリョウが笑って、それからふと…真顔になる。

静かに抱き締められた。

リョウの心臓の音が聞こえる…回された手が震えてる。

「友達、だよな俺ら」

俺は頷いた。

「うん、当たり前だろ」

リョウはいつもの無邪気な顔で笑って、じゃあなとだけ言った。

消えていく後ろ姿を見ながら、俺はごめん、と頭を下げていた。



もう季節は夏で、あと少しで夏休みだ。

空は青いし、雲は眩しいくらい白い。

放課後、俺は学校から少し行った場所にある河原に寝そべっていた。

横には、真面目な顔して読書しているリイチ。

「なに読んでんの」

「ドラゴンボール」

…今更なうえに、何故。
つうかブックカバーして読むなよ(笑)

リイチは漫画を脇に置いて、俺を見つめた。

見つめられただけで、俺は切なくなる。

「好き、桜」

小さく呟くリイチ。

「…う、うん、あ、ありがと」

真っ赤になって礼を言うとリイチの唇がそっと触れて、離れた。

「好きでいるから、好きでいて」

子供みたいなことを言うリイチ。
可愛い。

「俺も同じこと思ってるから。リイチ、大好きだよ」

リイチはニコッと笑って言った。

「同じこと思ってんなら…今日、もっと激しくしようか…ね、桜」


…あ〜。

いま、思った。

俺、一生こいつに振り回されそう…(>_<)

まあ、でも。

いっか!!!

…俺達の夏は始まったばかりだ…。


end


長い話にお付き合い下さり有り難うございました

〜ねこ〜

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