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魔女【24】

CORO  2009-08-02投稿
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翌朝。

達夫が出掛けたあと、
あたしは街に出た。


薬局で妊娠検査用品を買って、デパートのトイレで試す。


検査スティックにオシッコをかけて、

祈るような気持ちで、
5分間を待つ……。


反応は、陽性。


あたしはトイレに座り込んだ。


涙が溢れて、止まらない。

またあたし、

殺さなくちゃならない…。

もし、パパ以外の人の子供だったら…、

あたし、どんなことをしてでも、育て上げるのに…。


扉をノックされて、あたしはトイレを出た。


それから、どこをどう歩いたのかわからない。


あたしは京都駅前に来てた。


炎天下を歩いてきたせいで、頭がクラクラしてくる。


あたしは、初めて来たときのマクドナルドに入った。


カウンターでコーラを注文し、
財布を出そうとリュックを開いたとき、
携帯用のティッシュの広告が目に入った。


達夫が、橋の上で配っていたティッシュ。


席に座って、見てみるとQ2ダイヤルの広告だった。


システムは、携帯のサイトと変わらない。


電話で自分のプロフや希望を録音し、

相手の返事を待つ。

要するに、声の掲示板。


当時はまだ、携帯の出始めた時期で、
出会い系サイトどころか、メールすら普及していなかった。


あたしはマックを出ると、
電話ボックスに入った。


「あたしは、今夜泊まるところがありません。場所を提供してくれる方、メッセージ下さい」


駅構内のデパートで時間をつぶし、

一時間後、
再び公衆電話から、自分宛てのメッセージを確認する。


メッセージは、8件も入ってた。


その中で、優しそうな声のおじさんに、あたしはメッセージを返す。


10分ほど待って、確認すると、
相手の電話番号が録音されてた。


あたしは、
少し震える指で、その番号をプッシュする。


最初の呼び出し音が終わらないうちに、
男の声が聞こえた。


(はい、、佐倉です。はじめまして…)

案外、快活な話し方に、あたしはホッとした。


会話も上手。

あたしの緊張が、ほぐれていく。

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