月曜日の夕方。
外来の診察を終えた私の携帯が鳴った。
「玲子様。いつもの所でお待ちしております。
今夜もたっぷり、
可愛がって下さいね」
甘ったるい声が囁く。
「わかってるわ。
いつも通りにして、待ってなさい。
男にナンパでもされたら、ついて行ってもいいからね」
私は冷たく突き放す。
「もうっ!玲子様って、ホントにイジワル…。わたしは玲子様一筋なのに…」
まだ何か言いたそうだったが、
私は携帯を切った。
電話の相手は聡子。
かれこれ五年来の、私の奴隷。
真美のような愛らしい子猫ちゃんではなく、
ストレス解消のための、玩具。
歳は、48歳。
市内で10店舗の飲食店を経営する、実業家。
100人余りの従業員からは、鬼のように恐れられている辣腕女社長だが、
私の前では、
ただのメス豚。
レスビアンの、マゾ女。
若い頃に、一度結婚したらしいが、
今はシングル。
会社を一人で束ねるストレスを、
毎週月曜日の、
私とのプレイで発散している。
ホントに発散できるのかどうかは、
疑問だけど…。
私の方は、
最近ちょっと辟易してる。
飽きてきた、
と言うより、
真美に出会ってしまったから…。
真美に出会ってから、
聡子への責めは、
エスカレートするばかり。
以前は、傷痕が残らないように、気遣いながらのプレイだったが、
最近は、歯止めがきかない。
何か、とんでもないことをしてしまいそうで…
すごく不安…。
病院から車で20分。
聡子の待つ、スーパーの立体駐車場に着いた。
聡子の乗っている、
真っ黒なスモークを張り巡らしたベンツの隣に、私は駐車した。
ウインドウが開くと、
運転席には全裸の聡子が俯いて座っている。
私もパワーウインドウを開けて、声をかけた。
「聡子、お待たせ」
「玲子様!」
聡子が顔をパッと輝かせた。