「なんだ、オレが出すからいいんだよ」
でも結局ラーメンになった。
「バイト料入ったって言ってたじゃん。もうピンチなのか?」
「あ…その…服買ったから…」
伸二はちょっと考えて、アタシを見た…
気まずい感じがして目をそらしたけど、じっと見てる…
「その服…?」
「あ…まぁ…」
伸二の目が潤んだような気がした。
公園のベンチ
「麻緒、気持ち悪いかも知れないけどさ…その…」
「何?」
「お兄ちゃんって…言ってくんない?」
来たよ…
「ダメ?」
「いいよ…お兄ちゃん…」
コイツ…感激してる…
ま、いっか…
いつもと違う伸二が新鮮だった。
こんなに優しくてウブな男だとは思わなかった…
彼の体の隅々まで知ってるのに、今目の前にいる男は、初めてデートに誘ってくれた彼氏みたいな錯覚に陥った。
だからだろうか…アタシはそれから何度もお兄ちゃんと呼び、伸二の温かい笑顔を引きだそうとした…
「あ、麻緒…」
また何か言うのかな…
「これ、一応プレイだったよな」
「うん…そうだね…」