『今日のこと、絶対に俺達だけの秘密な』
と念を押して、良夜は帰って行った。
当たり前だろ、と笑って帰して…この胸の痛みの処理に困る僕。
次の日
良夜に会うのが怖かった…避けられたりしたら…だが、良夜は笑って肩を叩いた。
「なあ、ミクたんのOVAがさあ…」
なんて言ってくる。
なかったことになってた
その方が辛い、なんて僕は思っていた。
良夜の唇や、触れてキスした髪や、首筋を見てしまう僕は…。
いや、忘れなきゃ…。
僕らの仲は相変わらずだったが、良夜は恥ずかしそうに
「今日、彼女と帰る」
という日が増えた。
そんなある日、良夜が久々にうちに来ると言う。
僕の胸が変にざわついてしまう。
『奏太に頼みたいことがあってさ…』
そういう良夜の妙に甘い口調に、期待してしまう…。
部屋に入るなり、良夜は恥ずかしそうに頬を赤らめて、僕の学ランの袖をそっと掴んだ。
「キスは…したんだ」
僕は唾を飲んだ。
「うん」
良夜は真っ赤になって、続ける。
「でもさ…その先、わかんないから…
奏太…教えて?」
僕は、向き直って良夜を見下ろして…耳元に囁いた。
「…実地で?」
良夜は小さく頷いた…。
まったくもう。
僕達、どーなっちゃうんだろうね?
…扉を閉めて
この話はここでオシマイ
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