[PR]
オススメ広告

遠い日の唄 14

にゃんこ  2010-01-17投稿
閲覧数[1714] 良い投票[0] 悪い投票[0]


ユウ。


一週間たっても、俺は毎日毎日自販機のとこに足を運んでいた。

幽霊でも幻でもいいから、もう一度だけでもいいから、会いたかった。

単に、会いたかったんだ。

僕のいる場所。

その曲が流れると、俺は走った。

カラオケ店にも行った。

ユウ、どこにもいない。

帰りたくない、と泣いたお前は…どこに帰ったんだろう…。



雪は消え、変わりに暖かな日射しが差し込む日々。
女の子のお祭りの日が過ぎても、…もう、毎日行くことはなくなっても、忘れたことはなかったよ。


そんなある日、俺はパステルブルーの空の下、久しぶりに自販機へと足を向けていた。

雪の変わりにビンクの吹雪だ。

自販機の真上にある桜がチラチラと…。


…。


おい…。


嘘だろ…?


自販機にもたれて、桜を見上げる…影。




ユウ。




俺は、走っていた。

走って、走って…影が消えないように祈りながら、走っていたんだ。



i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 にゃんこ 」の官能小説

もっと見る

ボーイズラブの新着官能小説

もっと見る

[PR]
i-mobile
オススメ広告


▲ページトップ