…… うっすらと白い景色が視界に入ってくる。 頭はまだ芯がぼんやりとしてはっきりしない。 …...
「危ないな…、思わず抱いてしまうとこだった…」 「…どうして?」 急に絡まっていた舌と指を離さ...
「不相応な物に手を出すと、また後で後悔する事になるぞ。」 「…」 何処でせっかちな蝉が鳴い...
汗で汚れたジャージを入れたスポーツバックを肩に下げ、目の前の黒く延びた影を追う。 疲れた足取りで...
柚木はそんな織部を相変わらず冷めた表情で見つめている。 しかし、まだ体は回復していないのか、腰を...
「…―柚木さんは、どうして陸部に行かないんですか?」 …………。 「トレーニング、まだしてる...
さっきまで喧しくゴムまりの様に跳ねていた心臓が一瞬柚木の声にビクリ、と震える。そして、ふらりと進...
私とつかさが知り合ったのは去年の夏祭…。 あの日私は友達と一緒に近所のお祭りに行ったんだけと途中...
美月、腕まくらしてあげるからおいで♪ え〜いいよぉ。 といいながら啓児のシャツを借りた美月...
美月は大パニックだった。目を覚ますと時計は10時を過ぎ、デートの待ち合わせまであと30分しかない。...